この間、遅ればせながら、アマゾンプライムでアニメ映画「すずめの戸締り」(新海誠監督)を見させていただきました。新海誠の作品は「君の名は」や「天気の子」など見させていただきましたが、今回の「すずめの戸締り」が一番良かったと思います。あんまり話すとネタバレになりますので、ほどほどにしますが、この映画のテーマはずばり巨大地震です。巨大地震を食い止めるべく主人公の少女、すずめが奮闘します。
そして、僕がこの映画をみた数日後に、宮崎県で大きな地震が起こりました。実は、「すずめの戸締り」で最初に大きな地震が起こる場所が、宮崎県。ネットでも話題になっております。僕もびっくりしましたね。映画とほぼ同じ。しかも、政府が正式に南海トラフの大地震を警戒せよというのですから。新年そうそう能登の地震もあったし、怖いですね。今日も神奈川県を中心に地震がありました。
「すずめの戸締り」では、宮崎の次は愛媛、神戸、東京、東北と続くので、次は愛媛か?近々、東京にも大地震がくるのかってネットでウワサされております。地震というのは日本の歴史を紐解いてみると連続的に起きたのですね。特に南海トラフはたびたび大きな地震をそれも、連続的に、九州、四国、近畿と広い地域で地震を起こしてきたのです。おそらく新海誠監督は、南海トラフのことを勉強して、「すずめの戸締り」を作ったのかもしれない。
豊臣秀吉の治世の間にも、天正地震(1586)、別府地震(1596)、慶長伊予地震(1596)、伏見地震(1596)と続いたのですね。特に1596年に別府(九州)、伊予(四国)、そして伏見(近畿地方)と同じ年にいくつも大きな地震がおきたのですね。ほぼ、「すずめの戸締り」と同じですね。というかこの時も南海トラフの震災だったのかもしれません。で、前回の記事で、加藤清正が秀吉を怒らせ、謹慎処分になった話をしましたが、この伏見地震を通して、秀吉は清正を許すのです。どうして許すのかは、順を追ってお話しします。
まずは伏見地震について。マグニチュードは 7.0〜7.1でした。主に堺・京都で大きな被害がありました。東寺、天龍寺、大覚寺などの神社仏閣が被害を受け、伏見城も崩壊しました。そして死者は1,000人を超えたとされております。結構大きな地震だったのですね。その伏見城になんと秀吉がいたのです。絶体絶命のピンチの所を、加藤清正が300人の部下を率いて秀吉を我先に助けに来たのですね。清正は、一度目の朝鮮出兵の件で秀吉を怒らせてしまい、謹慎処分を受けていたのですね。これは石田三成の讒言によるものでしたが。
でも、秀吉の恩を受けていた清正はいち早く助けにきたのですね。秀吉はたいそう感激し、清正のことを許したのですね。そして清正は二度目の朝鮮出兵に参加できたのです。
助かった秀吉は方広寺の大仏めがけて矢を射掛けたそうです。なぜでしょう。じつはこの地震で方広寺の大仏の左手や胸が地震で崩れてしまったのですね。その大仏のひ弱さに秀吉は怒ってしまったのかもしれません。そして、「自身の身すら守れぬ大仏が人びとを救えるはずもないとして、大仏を粉々になるまで砕いてしまえ」と家臣に命じたとか。その豊臣秀吉は2度目の朝鮮出兵の最中に亡くなるのですが、秀吉が生きているうちに清正は秀吉と和解できてよかったと思います。
ただ、この地震加藤のエピソードは後世の創作だとも言われております。清正と秀吉が和解できたのは事実ですが。
(地震のさい、秀吉救助に向かう加藤清正)
※ おまけ
息抜きに音楽でも。「すずめの戸締り」の主題歌、「 すずめ feat.十明」。十明の神秘的で美しい声にうっとりします。「すずめの戸締り」は全体的に音楽が良かったです。RADWIMPSの「カナタハルカ」もよかったけれど、映画の途中で80年代の音楽が出てくるのが良かったです。河合奈保子の「けんかはやめて」とか斉藤由貴の「卒業」とか。