「世紀のワイドショー!ザ・今夜はヒストリー」という番組があり、番組で戦国武将の長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)と山内一豊(やまうちかずとよ)のどちらが日本を救うかという話がありました。

番組では、山内一豊のほうが日本を救えるという意見も多かったようです

長宗我部元親は人の言いなりにならない、自分の実力を信じるという良くも悪くも戦国時代の申し子みたいな人で、一方の山内一豊は忠義の人で、コツコツと実績を積み上げる努力家でした。

ですから、一豊の生き方のほうが日本人の感性にあっていると思うし、最終的に子孫を残すことができたことも大きい。だから、山内一豊のほうが日本を救えるという意見が多かったのだと考えられます。(長宗我部は息子の代でほろんだ)

私の意見としましては、長宗我部と山内のどちらかといわれたら、長宗我部を選びます。

長宗我部は、元々は土佐の一国衆にすぎなかったのですが、長宗我部元親は、軍政改革を行い、普段は農民だが、戦になったら武器を持って戦う農兵たちを組織化しました。農作業をしている時も、常に武具を田畑のかたわらに置いていたため一領具足イチリョウグソクというものです。そうした軍事改革が功を奏し、長宗我部は土佐一国を手中に収めたのです。土佐だけに飽き足らず、伊予いよ阿波アワ讃岐さぬきを攻略し、天正13年(1585)には四国統一を成し遂げました。

山内一豊は、たしかにマジメで上司の言うこともすなおに聞き、また戦でも矢を顔に打たれても屈しない勇猛ゆうもうさを持っているのですが、日本を救うとなるとやや物足りない気もします。

平時のとき、たとえば元禄時代げんろくじだいだとか、昭和40年代〜50年代のような安定した時期ならば、山内のようなリーダーが良いと思うのですが、乱世の日本を救うにはある程度、にくまれ役を買って出るような人のほうがいいと思います。

もちろん、マジメでコツコツやる人は学校で先生にもほめられるし、会社でも必要なキャラだと思います。


だけど、山内一豊は、土佐とさの旧領主の長宗我部の残党をのけ者にしたのです。(山内家と長宗我部の残党がケンカしたから)

山内家家臣を上士じょうし、旧長宗我部氏の家臣を下士かしとした差別的構造も発生してしまいました。この構造は幕末になっても続いて、下士出身の坂本龍馬さかもとりょうまたちもずいぶん苦労するのです。

織田信長は元親をあまり高く評価していなかったようですが、元親が秀吉よりも早く生まれていたら、おもしろいことになっていたかもしれません。

* 参考文献及び参考にしたTV番組
この記事はTBS「世紀のワイドショー!ザ・今夜はヒストリー」やNHK「英雄たちの選択」を参考にしました。

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