この記事は2009年9月に書いたものを加筆修正しました。

長野県の穂高にあるわさび園は僕がちっちゃい頃から何度も訪れているから(少なくとも5回は訪れている)、来る度に「また来たか」と思います。でも、ここを訪れないと信州安曇野に来たって感じがしないのです。
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ここには伝説があります。時は平安時代の初期、桓武天皇の時代。穂高の八面大王と呼ばれる豪族が安曇野地方を支配していたそうです。それを朝廷が坂上田村麻呂を遣わして、穂高の大王を退治したって話。

僕は子供の頃、この八面大王というのが悪い奴だと思っておりました。だって八面大王というネーミングからして怖いイメージがするしw、それに八面大王は民に迷惑をかけた悪い奴だって話も聞いたことがあります。





しかし、今回説明看板をじっくり読んでみて、本当に悪いのは朝廷じゃないかって思われました。むしろ安曇野の地を守る勇者のようにも感じられました。

一方で、朝廷は東北平定の足がかりの為にも信州の地を押さえておきたかったのです。朝廷にも八面大王にもそれぞれ言い分があったのでしょう。ただ、朝廷が貢物を要求したり、無理難題を押し付けたりと強権的なやり方がまずかったのかもしれません。

八面大王は神通力の持ち主だったと信じられていました。田村麻呂がせっかく退治したとしても、また蘇ってくるのではないかと思い、死体を切り刻んでバラバラに埋めたそうです。

大王の耳を埋めたのが(長野県穂高にある)有明の耳塚、首を埋めたのが筑摩神社の首塚、そして胴体を埋めたのが穂高の大王わさび園だといわれています。

大王が立て篭もったといわれている祠。僕も祠の中に入ったのですが、祠に入っていたとき、土砂崩れして、外に出られなくなるのではないかとハラハラしていましたw ↓ 

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(大王の見張り台と呼ばれる築山)

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(大王の見張り台と呼ばれる築山の頂上にあった大きな石)


その安曇野もいまや長閑な田舎の風景そのものです。とてもそんな争いがあったとは思えません。

それから、わさび園は黒澤明さんの映画のロケにも使われました。その黒澤さんの映画の題名は『夢』

夢 [DVD]
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映画『夢』にもでてきた水車小屋の風景をいくつかご紹介します。風情があっていいですね。昔の日本では水車のある風景なんて珍しくなかったのかもしれないが、今ではすっかり珍しくなりました。寂しい事です。


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