今日は地震兵器について。僕は自然科学の話は疎く、学生時代、理科の成績は赤点に近かったのですが、頑張って語ります。僕は地震兵器の話を聞くたびに、「え❓そんなことあるの❓」って思うのですね。大体、地震というものは地下深いところで起こるもの。そんな深いところに人間がやってきて、兵器を仕掛けることができるのかって。また、地震はプレートの運動だと言われておりますが、プレートって言ってもすごく厚いのですよね。プレートもいろいろあって厚さとか大きさは違いがあるが、大体海洋プレートで約80km、大陸プレートで約150kmだそうです。すごいですね。そんな巨大なものを人間の力で動かことができるのかって。僕は疑問に思うのですが。もし、そのような兵器があるのなら、実物を見せてくれと言いたいですね、実物を見せてくれたら信じます。




でも地震兵器は度々ウワサになるのですね。2022年の3月16日に福島県沖で、マグニチュード7.4の大きな地震がありました。SNSで「地震兵器だった」とウワサになったのです。前触れもなくいきなりドスンと大きな地震が来るのは地震兵器だと。いきなりドスンと大きな地震が来ることは、これまでの地震の歴史を振り返って見ても、とりわけ珍しい話ではありません。震源地が近いといきなりドスンという地震がきます。

東日本大震災の時もウワサになりました。人間って、ありえない話だと逆に「ひょっとすると、ひょっとして」って信じてしまう心理があるのですね。あんな大きな地震は地震兵器じゃないと起こせないって言うけれど、すみません、東北では歴史上大きな地震は度々起こってるんですよ。たとえば、1000年以上前にも東日本大震災とまったく同じくらいの巨大地震と大津波が発生したといいます。869年に発生した貞観地震。

貞観地震では、高さ9メートルの津波が何回も押し寄せたと推定され、仙台平野では内陸数キロメートルにまで達したというから恐ろしい・・・・そんな多賀城も城郭や倉庫、門、やぐら、塀へいが無数に崩れたといいます。それに加えて多賀城城下まで津波が押し寄せたというのです。



この地震の様子は『日本三大実録』にも書かれております。なんでも、その地震が起きたのが夜だったのに、まるで昼間のように明るなったりしたと。そうかと思ったら元の暗さに戻ったりと書かれております。あるものは家が倒れて圧死し、あるものは地割れに埋まって死んだといいます。人々は泣き叫び、牛や馬も驚いて走り回り、互いに踏みつけあったといいます。



そして、津波。海水は雷のような音を立てて吠ほえ、怒涛となっておしよせ、海から数十万里にわたって波がおよび、原野も道路も青々とした海になったと。船に乗る時間もなく、山に登ることもできず、溺死したものは千人もいたと。田畑も津波に飲み込まれてしまい、何も残らなかったと。かなりおびただしい被害だったことがうかがえます。



また僕が以前に東北の被災地のある場所に訪れたとき、そこの喫茶店のマスターが、東北地方は大きな地震が多くて、慣れっこだったと。今回の東日本大震災も大したことがないと甘く見ていたとおっしゃっていたのですね。それが、津波が押し寄せるとは思いもよらなかったとおっしゃるのです。そんな油断をしたのはマスターだけではなかったようで、地震に対する慣れが油断を生み、被害を大きくしてしまったのですね。


ともかく地震兵器のウワサが広まったのです。地下深くに核爆発を起こし、地震を起こしていると。それで地震兵器のことで槍玉に上がったのは「ちきゅう」という地球深部探査船。「ちきゅう」がプレート地点に核兵器を設置し、爆発させて巨大地震を誘発させたというのです。が、それはあり得ない話なんですね、「ちきゅう」のドリルパイプの直径は14センチしかなく、核兵器を設置することは不可能です。また「ちきゅう」の最大掘削深度も7500m。震源の深さはピンキリですが、先の福島沖の震源の深さは57キロだそうです。とても届きませんね。またm24キロの深さに達すると、温度は数百度を超えるため、掘削はほぼ不可能だそうです。逆にドリルパイプが溶けそうですね。

というか、「ちきゅう」は地震発生のメカニズムや地球の歴史などを研究するために造られた船ですから、地震を起こして我々をパニックにさせるようなことはまずないでしょう。「ちきゅう」の乗組員さんや研究者さんたちは誇りを持って仕事をしているわけで。



地震兵器のことがウワサされるようになったのは、最近の話ではありません。古くは大正時代、関東大震災の時。「西洋で地震を起こす機械を発明」というデマを真に受けた人々が警察署に駆け込んだなんて話もあったくらい。また1944年12月7日に発生した昭和東南海地震もアメリカが起こした地震だと言われております。昭和東南海地震ではB-29から投下された宣伝ビラに毛筆で「地震の次は何をお見舞いしましょうか」と書かれていた、という証言もあったようです。が、そんなビラが本当にあったのかどうか疑わしいし、仮にそんなビラがあったとしても、日本の戦意を挫くためのアメリカが仕掛けたハッタリだと思います。「アメリカは地震を起こす兵器だって作れちゃんだぞ、さあ、降伏しろよ」みたいな。

ちなみに人工的に地震を起こすことは可能です。地震体験車❓いやいやw、代表的なのは土木工事やダイナマイト使用による揺れ。1984年には東京都、神奈川、東工大の三者が実験で人工的に地震を起こしたそうです。それで地震を起こしたら、想定では震度1程度にする予定だったのが地盤が弱くて震度4ないし5の地震になり、新幹線のダイヤが乱れてしまったほど。しかし、ダイナマイトで起こした地震のエネルギー量は最大規模でもマグニチュード3・2程度。これは熊本地震などマグニチュード7クラスの地震のわずか1000000分の1程度。それに人工的に地震を起こした地点から近いところだと揺れを感じますが、1キロ、2キロ震源から離れただけでも、微弱な揺れしか感じないのです。それ以上離れた地点では揺れを全く感じないでしょうね。人工地震では遠く離れた地点まで揺らすことができないのですね。ところが、これまで人工地震と噂された地震は全て震源から遠く離れた地点でも揺れました。東日本大震災なんて震源からうんと離れた東京ですら、電信柱が揺れるほどの大きな揺れでしたもの。あの時、自然の脅威をマジで感じましたよ、僕は。



ただ、人工的に大きな地震を起こすのは全く不可能ではないのです。冷戦時代に核軍縮で核爆弾を始末する時、余った核弾頭をたくさん集めて一気に爆発させる実験をおこなったそうです。それで最大のマグニチュードが7クラス。結構大きいですね。ただその時は何十メガトンというものすごい量の核爆弾を集めて爆発させた結果。一発や二発程度の核爆弾ではマグニチュード7くらいの大きな地震はおこせません。実際、そんな規模の量の核爆弾を一度に集めるのは非常に大変なんですね。現実的な話ではありません。