1 洋食を食べるようになった日本人
明治以降、日本の食卓が急激に洋風化し、豊かになりました。摂取カロリーもぐんと上がったと言います。一人当たりのカロリー摂取量は、明治後期は1663キロカロリーだったのが、大正時代には2218キロカロリー、昭和初期は2811キロカロリーに増えたのですね。
とんかつ、コロッケ、カレーライス、アイスクリームなどが西洋から日本に入ってきたのです。
昭和初期には大衆食堂でもメニューにあったそうです。山本夏彦翁の話だと1942年(昭和17)には大衆食堂どころか、すでにカレーライスの専門店が東京にあったと言います。カレーは食堂だけでなく刑務所でも出たと言います。囚人たちにも人気のメニューで、昼がカレーだとわかると囚人のみならず看守までもウキウキしたといいます。
海軍でもカレーがでました。海軍カレーは有名で、毎週金曜日になると海軍さんたちはカレーを食べたそうです。軍隊になると白米も食べ放題だし、カレーとかステーキだとか美味しいものが食べらる。だから、貧しい地方の若者は志願して軍隊に入ったという話まで聞きます。
あと、アイスクリーム。すでに明治時代からありました。1869年(明治2)には横浜の氷水店ではアイスクリームを売り出していたそうです。横浜のレンガ倉庫に明治の頃のアイスのレシピをそのまま食べれるそうです。
2 カルピスは昔からあった
カルピスといえば、最近僕も飲まなくなったなあ。たまに飲んでみたくなるものですが。カルピスと言えば、日曜日の夜、『カルピスこども名作劇場』なんて番組をやっていました。『アルプスの少女 ハイジ』だとか。(年がばれるなあw)
さて、このカルピスも戦前からあったようです。カルピスは大正時代、三島海雲(みしまかいうん)が青年時代に中国大陸にわたり、内モンゴルで遊牧民が飲んでいた酸っぱい乳が原点だそうです。
海雲が遊牧民からその酸っぱい乳をすすめられました。海雲はちょっとすっぱいと思ったけれど、長旅で弱ったおなかの調子がよくなり、体も頭もすっきりしたそうです。それで、海雲はこの酸っぱい乳をもとにしてカルピスの開発をしたそうです。
カルピスは大正8年に発売されました。大正11年には「初恋の味」というキャッチフレーズで新聞広告にのりました。当時の世の中の明るい雰囲気とあいまって、カルピスは飛ぶように売れたといいます。
3 グリコのキャラメル
江崎グリコといえばお菓子の会社で有名です。グリコのキャラメルに、ポッキー、プリッツ、ジャイアントコーン、ビスコなどなど。僕が子どものころはよく食べましたっけ。グリコといえば大阪の道頓堀にある大きな看板があります。あと80年代にグリコ・森永事件なんてありました
その江崎グリコも大正時代からありました。江崎グリコの社名の由来はグリコーゲンの入ったキャラメル「グリコ」からきています。グリコにグリコーゲンが入るようになったのは、江崎グリコの創業者である江崎利一とグリコーゲンとの出会いからでした。
大正8年、江崎利一は河原で、漁師がカキを煮ている場面に出くわしました。「グリコーゲンは日本の貝類、とくにカキにふくまれている」という言葉を思いだし、漁師からカキを分けてもらい、そのカキを煮ると、予想どおりグリコーゲンは抽出されました。
次の年に江崎は病気の息子にそのグリコーゲンのエキスをあたえると、息子の病状がよくなったのです。江崎は「子どもたちにグリコーゲンを摂取してほしい」と願い、キャラメル「グリコ」として売り出しました。
4 味の素
調味料の味の素は戦前からありました。驚きですよね。1908年(明治41)、東京大学理学部教授の池田菊苗が旨味成分である「グルタミン酸ソーダ」の抽出の工業化に成功しました。グルタミン酸自体はドイツですでに発見されておりましたが、これが旨味成分であることを突き止めたのは池田です。池田博士はグルタミン酸を原料にして調味料を発明、そして明治41年7月には『「グルタミン」酸鹽ヲ主要成分トセル調味料製造法』として特許を取得しました。
その特許契約を池田博士と結んだのが鈴木三郎助(当時鈴木製薬所代表)。知己を通じて開発中から池田博士と面談していたのですね。
池田博士から事業経営を任された鈴木三郎助(当時鈴木製薬所代表)により、「味の素」という商品名で製造販売しました。その後、鈴木製役所は、味の素株式会社へと発展しました。
甘味、酸味、塩味、苦味に次ぐ第五の味とされる「うま味」の存在に関しては、長く学界で議論されてきたのですが、その後、舌の味蕾(*1)に存在する感覚細胞にグルタミン酸受容体が発見されたことから、味覚の一つとして認められるようになり、日本語のUMAMIのまま世界に通じる様になったのです。すごいですね。
今では味の素は世界中で使われております。
(海軍カレー)
(昔のアイスクリーム。横浜で当時のレシピのまま食べることができます)
*1 舌にある食べ物の味覚を感じる小さな器官
※ 参考文献
明治以降、日本の食卓が急激に洋風化し、豊かになりました。摂取カロリーもぐんと上がったと言います。一人当たりのカロリー摂取量は、明治後期は1663キロカロリーだったのが、大正時代には2218キロカロリー、昭和初期は2811キロカロリーに増えたのですね。
とんかつ、コロッケ、カレーライス、アイスクリームなどが西洋から日本に入ってきたのです。
昭和初期には大衆食堂でもメニューにあったそうです。山本夏彦翁の話だと1942年(昭和17)には大衆食堂どころか、すでにカレーライスの専門店が東京にあったと言います。カレーは食堂だけでなく刑務所でも出たと言います。囚人たちにも人気のメニューで、昼がカレーだとわかると囚人のみならず看守までもウキウキしたといいます。
海軍でもカレーがでました。海軍カレーは有名で、毎週金曜日になると海軍さんたちはカレーを食べたそうです。軍隊になると白米も食べ放題だし、カレーとかステーキだとか美味しいものが食べらる。だから、貧しい地方の若者は志願して軍隊に入ったという話まで聞きます。
あと、アイスクリーム。すでに明治時代からありました。1869年(明治2)には横浜の氷水店ではアイスクリームを売り出していたそうです。横浜のレンガ倉庫に明治の頃のアイスのレシピをそのまま食べれるそうです。
2 カルピスは昔からあった
カルピスといえば、最近僕も飲まなくなったなあ。たまに飲んでみたくなるものですが。カルピスと言えば、日曜日の夜、『カルピスこども名作劇場』なんて番組をやっていました。『アルプスの少女 ハイジ』だとか。(年がばれるなあw)
さて、このカルピスも戦前からあったようです。カルピスは大正時代、三島海雲(みしまかいうん)が青年時代に中国大陸にわたり、内モンゴルで遊牧民が飲んでいた酸っぱい乳が原点だそうです。
海雲が遊牧民からその酸っぱい乳をすすめられました。海雲はちょっとすっぱいと思ったけれど、長旅で弱ったおなかの調子がよくなり、体も頭もすっきりしたそうです。それで、海雲はこの酸っぱい乳をもとにしてカルピスの開発をしたそうです。
カルピスは大正8年に発売されました。大正11年には「初恋の味」というキャッチフレーズで新聞広告にのりました。当時の世の中の明るい雰囲気とあいまって、カルピスは飛ぶように売れたといいます。
3 グリコのキャラメル
江崎グリコといえばお菓子の会社で有名です。グリコのキャラメルに、ポッキー、プリッツ、ジャイアントコーン、ビスコなどなど。僕が子どものころはよく食べましたっけ。グリコといえば大阪の道頓堀にある大きな看板があります。あと80年代にグリコ・森永事件なんてありました

その江崎グリコも大正時代からありました。江崎グリコの社名の由来はグリコーゲンの入ったキャラメル「グリコ」からきています。グリコにグリコーゲンが入るようになったのは、江崎グリコの創業者である江崎利一とグリコーゲンとの出会いからでした。
大正8年、江崎利一は河原で、漁師がカキを煮ている場面に出くわしました。「グリコーゲンは日本の貝類、とくにカキにふくまれている」という言葉を思いだし、漁師からカキを分けてもらい、そのカキを煮ると、予想どおりグリコーゲンは抽出されました。
次の年に江崎は病気の息子にそのグリコーゲンのエキスをあたえると、息子の病状がよくなったのです。江崎は「子どもたちにグリコーゲンを摂取してほしい」と願い、キャラメル「グリコ」として売り出しました。
4 味の素
調味料の味の素は戦前からありました。驚きですよね。1908年(明治41)、東京大学理学部教授の池田菊苗が旨味成分である「グルタミン酸ソーダ」の抽出の工業化に成功しました。グルタミン酸自体はドイツですでに発見されておりましたが、これが旨味成分であることを突き止めたのは池田です。池田博士はグルタミン酸を原料にして調味料を発明、そして明治41年7月には『「グルタミン」酸鹽ヲ主要成分トセル調味料製造法』として特許を取得しました。
その特許契約を池田博士と結んだのが鈴木三郎助(当時鈴木製薬所代表)。知己を通じて開発中から池田博士と面談していたのですね。
池田博士から事業経営を任された鈴木三郎助(当時鈴木製薬所代表)により、「味の素」という商品名で製造販売しました。その後、鈴木製役所は、味の素株式会社へと発展しました。
甘味、酸味、塩味、苦味に次ぐ第五の味とされる「うま味」の存在に関しては、長く学界で議論されてきたのですが、その後、舌の味蕾(*1)に存在する感覚細胞にグルタミン酸受容体が発見されたことから、味覚の一つとして認められるようになり、日本語のUMAMIのまま世界に通じる様になったのです。すごいですね。
今では味の素は世界中で使われております。
(海軍カレー)
(昔のアイスクリーム。横浜で当時のレシピのまま食べることができます)
*1 舌にある食べ物の味覚を感じる小さな器官
※ 参考文献