春ですね。あれほど寒かった日々が嘘みたいに温かくなりましたね。まだ早朝と夜は肌寒いですが、御昼くらいだと、むしろ暑いくらい。そんなこんなで良い季節になりました。僕は昔は秋がすきだったけれど、最近は春がいいなあって。秋ってなんかさみしいイメージがあるから。春はいいですね。でも、春もよいことばかりではありません、卒業とか、会社では異動とか、人々の出会いと別れの季節でもあります。仲良くなれた友達ともお別れすることになり、そういう意味ではさみしい季節でもあります。

柏原芳恵さんの歌に「春なのに」って曲があります。名曲ですね。1983年の楽曲ですが、いまも色あせないくらい、メロディーもきれいだし、歌詞も切なくてよい。歌詞に「♪記念にくださいボタンをひとつ青い空に捨てます」とあります。そのボタンとは制服の第二ボタンのこと。もっと言えば男子学生の学ランの第二ボタンここと。かつては、女の子が、意中の男の子から第二ボタンをもらうのが卒業式でよくみられる光景でした。僕は中学のころ、制服がブレザーだったうえに、女の子とも全く縁がなかったのでw、第二ボタンをあげたこともなかったのですが。

さて、その第二ボタンの由来は意外に古く、戦時中にさかのぼるといいます。なんでも出征した夫の帰りを待つ若い妻に、夫の弟が同居しておりました。夫の弟はまだ学生でしたが、妻つまり義理のお姉さんに恋心を抱いていたといいます。しかし、義理のお姉さんを口説けば不倫になってしまう、だから弟は恋心を内に秘めたまま。真面目だったのですね。そんな弟にもi出征命令がでます。出征の朝、夫の弟は、義理のお姉さんに学生服の第二ボタンをわたし、「どうか自分だと思ってください」といって出征していくのです。第二ボタンは心臓に近いので、ハートと意味しており、また軍隊は規律が厳しいところですから、服装が乱れていたら、それこそ制裁をくらってしまう。ほかのボタンならだらしなくみえるけれど、第二ボタンなら取ったところで、服装はそんなに乱れない。そういう意味合いもあったのですね。

さらに戦後の1960年に「予科練物語 紺碧の空遠く」という映画が上映され、予科練生が特攻隊の出撃を目前に恋人に第二ボタンをわたすシーンが出てきます。この映画はヒットしましたし、そのシーンをみた人たちも、マネして大切な人に第二ボタンを渡す習慣がうまれたのですね。

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