3月14日の今日は松の廊下刃傷事件があった日です。浅野内匠頭が吉良上野介に松の廊下で斬りつけた事件です。「忠臣蔵」は歌舞伎でも取り上げられ、戦後になってから何度もドラマ化されました。

NHKの大河ドラマで「忠臣蔵」が扱われたのは4回です。1回目は1964年(昭和39)の「赤穂浪士」。2回目は1975年(昭和50)の「元禄太平記」、3回目は1982年(昭和57)の「峠の群像」、4回目は1999年の「元禄繚乱」(平成11)です。ちなみに、1995年(平成7)の「吉宗」にもちらっと忠臣蔵の話が出てきます。

1964年の「赤穂浪士」のテーマ曲はとても有名で、あの曲を聴くと「ああ、忠臣蔵だ」って思いますものね。大石内蔵助を演じられたのは長谷川一夫さん。吉良上野介を演じたのが滝沢修さん。長谷川さんを筆頭に豪華キャストをそろえたことは、当時の芸能マスコミやテレビ・映画業界からは「受信料でスターを集めた」というバッシングの対象にもなったそうですが、この「赤穂浪士」は高い視聴率により大きなダメージには至らなかったそうです。その視聴率というのが、優に30%を超え、浪士の討入りが放送された回には視聴率53.0%という大河ドラマ史上最高視聴率記録をも打ち立てたのですね。

1975年の「元禄太平記」は大石内蔵助が主人公ではなく、柳沢吉保が主人公。柳沢吉保視点で見た忠臣蔵という位置付けです。「忠臣蔵」では大石が討ち入りの際、山鹿流陣太鼓を叩くシーンが出てきますが、史実では太鼓なんて叩かないのですね。それで、本作品の討ち入りシーンでは陣太鼓が使われていません。柳沢吉保を石坂浩二さんが、内蔵助を江守徹さん、吉良を小沢栄太郎さんが演じられました。「元禄太平記」は実際に討ち入りがあった12月14日に、討ち入りの回をやったことでも話題になりました。

1982年の「峠の群像」は原作者の堺屋太一さんの観点を軸に、赤穂事件を現代的に描いたドラマです。赤穂藩断絶を現代の企業倒産になぞらえ、サラリーマンつまり赤穂の藩士たちがいかに行動したかを再考する作品となっております。内蔵助を緒形拳さん、吉良をなんと伊丹十三さんが演じられております。伊丹さんといえば「マルサの女」とか「ミンボーの女」とか映画監督のイメージが強いのですが、本職は俳優さんです。

1999年の「元禄繚乱」では内蔵助を中村勘三郎(当時は中村勘九郎)さんが、吉良を石坂浩二さんが演じられました。特に万年青年のイメージがある石坂さんが吉良をやるのも驚きだなって。「元禄繚乱」はリアルタイムで見てましたが、赤穂浪士というより、元禄という時代、徳川綱吉の治世にスポットを当てた内容でした。所々にコミカルなシーンがあって、ある意味異色作だなって思いました。「忠臣蔵」はどちらかというとシリアスな展開ですから。

最近の大河は戦国か幕末ばかりなので、そろそろ江戸時代もやってほしいなって。