*この記事は2022年1月に加筆修正をしたものです。

ヒトラーの最大の功績と言われた、アウトバーン。これで多くの失業者が救われたと言われておりますが、実際はちょと事情が異なるそうです。

そもそもアウトバーンはヒトラーが登場する以前からアイデアがあり計画が進んでおりました。つまりワイマール時代から末に進められていたのです。あたかもヒトラーの功績のように語られているのです。

ヒトラーはアウトバーンの工事で60万人の雇用を約束すると曰いましたが、実際に雇用されたのは10万人程度。

またアウトバーンの工事には近代的な機械は使われず、人海作戦をとっておりました。ほとんど手作業だったため手間暇がかかり、重労働だったのですね。当然工事の最中に亡くなった人も少なくないでしょう。あまりの重労働に不満を持った人たちもいて、ストライキを起こしてはゲシュタポに取り締まれたとか。またさまざまな不満を手紙にしたため、ヒトラー宛に送った人もいたと言います。

このようにアウトバーンの工事は、失業者問題の根本的な解決にはならなかったのです。それでも、教科書とかを見ていると失業者が減っているように書かれております。これにはカラクリがあって、失業している若者を勤労ボランティアに動員したり、失業した女性を専業主婦にすることで、そういった人たちを失業者としてカウントしなかったのです。それであたかも失業者480万人(1933年)を翌年に272万(1934年)に減らしたかのようになっているのです。さらに1935年以降は戦争が始まったので、徴兵や軍需産業へ動員された人たちもいますから、結果的に減ったのですね。

これをヒトラーはあたかも「経済政策の成功」だと宣伝して回ったのですね。まさにサギも良いところ。しかし、そんなサギまがいなことでも人々は騙され、ヒトラー並びにナチスを支持したのです。数字は嘘をつかないと言いますが、そんなことはないのですね。数字を誤魔化すことはいくらでもできるのです。それをナチスはやったのですね。

*この記事は「ダークサイドミステリー」などを参考にして書きました。