禁酒法が成立したのは1920年ですが、この法律は、酒類の製造、輸入、販売を禁止していただけで、飲酒自体を禁止していたわけじゃなかったようです。つまりこの禁酒法はザル法でかげでこっそり酒を飲んでいたり、密造みつぞうもあったし、不健全な酒場を廃止することが目的の一つだったにもかかわらず、より不健全な非合法酒場が横行おうこうしたといいます。ロサンゼルスの街には地下にトンネルを掘り、そこにお酒をかくしたといいます。

また、医療目的いりょうもくてきと称して薬局を通すと、ウイスキーを手に入れることができた。

それどころか、この法律を議員たちが守っていなかったといいます。議事堂の近くではお酒が飛ぶように売れたといいます。大酒のみの議員も少なくなかったといいます。たしかに飲むこと自体を禁止していたわけではないのですが、それにしても自分たちが酒を飲むとはひどい話ですね。

ちなみに、この禁酒法が制定されたのはウィルソン大統領の時代ですが、1919年にウィルソン大統領の拒否権きょひけん(※1)を発動しました。しかし、連邦議会がその拒否権をふりきって成立させたといういきさつがあったのですね。

議員のみならず密造に手を貸す警察官もいたというからあきれます。彼らは大物マフィアと手を貸したといいます。



※1 議会を通過した法律に対し、君主・大統領などが承認をこばみ、その成立をさまたげる権限。


※ 参考サイトおよび参考にした番組

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