(この記事は2014年に加筆修正をしました)

下田に行ったとき、僕がどうしても訪れたかったスポットが今日ご紹介する玉泉寺(ぎょくせんじ)です。このお寺は我が国最初のアメリカ総領事館でした。




(玉泉寺の門)




(玉泉寺のお堂)




(アメリカの領事館跡だと書かれた石碑)




(アメリカ元大統領のジミー・カーターも、玉泉寺をおとずれた)

1 日本最初の領事館&屠殺場(とさつじょう)

 玉泉寺は領事館として利用されていましたが、我が国初の屠殺場とさつじょうがあったところだそうです。

ちなみに、屠殺場とさつじょうとは牛やブタを殺して、食肉にするところです。

おそらく、ハリスをはじめとしたアメリカ人たちのために作ったのでしょう。当時の日本人は肉を食べるなんて習慣は無かったのですから。

このお寺は黒船の乗組員のお墓やロシア船ディアナ号の乗組員のお墓もあります。横浜にも外人墓地があるけれど、ここの寺の外人のお墓のほうが古いようです。(まちがっていたらごめんなさい)



さて、このお寺の境内にハリスが残した言葉が書かれた碑文ひぶん(※1)がありました。その碑文には、

※1 石碑(せきひ)に刻みこまれた文章


2 ハリスの意味深な言葉

疑いもなく、新しい時代が来る。あえて問う、日本にとって(開国は)本当の幸福になるだろうか?


みたいなことが書かれていました。ハリスの「オレが日本を国際社会の仲間入りをさせたのだ。」という達成感や喜びが感じられました。

その一方で「果たして開国が日本に幸福をもたらすのだろうか?」となやむ姿が文面から感じられました。

このハリスの言葉、意味深いみしんだと思いました。開国のあとの日本の歴史を考えたら。


3 開国をしたこと。日本の悲劇の始まりかも? 


 日本は開国してから目覚しい発展をして、ヨーロッパやアメリカと言った列強に負けないくらいに日本は成長しました。

そうやってアメリカやヨーロッパに負けるなとヒタスラ走り続けた事が本当に日本にとって良かったのか?

そのあげくに起きたのが太平洋戦争です。

夏目漱石の『それから』の主人公が言った「今の日本(明治時代)は、牛に張り合うカエルと同じで、今に腹が破裂はれつするだろう。」という言葉の通りでした。

「開国をさせるということは、日本を暴力や戦争、植民地をうばうことがまかり通るような国際社会の波に飲みこませることになる、このまま他国と関わることなく平和に暮らしたほうが日本国民にとって幸せなんじゃないか」とハリスは思ったのかもしれません。